自作キーボード「Bottleneck46」を作った

自分専用のキーボード「Bottleneck46」を作りました。

初めて基板設計から取り組んだのですが、誇張ではなく本気で人生最高のキーボード、めちゃくちゃうれしい。

なにせ自分専用、完全なるオーダーメイド。特徴を紹介します。

疲れにくいキー配列

キー配列は「Atreus」や「Corne」を参考にしました。

一番重視したのは、左手・右手のキーを10度内側に傾けていること。腕がハの字の状態でタイピングできるので肩が凝りにくいです。これまで使っていたAlice配列のキーボードでもこの良さを体感していたので、ぜったい傾けると決めていました。

キーはカラムスタッガード(キーが列ごとにずれている)配列。

  • 「中指はE, D, C」など、指ごとに押すキーの役割分担が明確。慣れるとタッチタイピングのミスが減る。
  • 指の長さに応じて配置することで運指が最適化される。

といったメリットがあります。

一般的なキーレイアウト(ロースタッガード)
一般的なキーレイアウト / Image: Keyboard Layout Editor

普通のキーボードのロースタッガード(キーが行ごとにずれている)配列はタイプライター時代の物理的制約の名残でああなっているだけで、べつに効率がいいわけではない、と言われています。たしかにカラムスタッガードに慣れると「なんであんな横にずれてたんだろ?」と不思議なくらい快適。

キーは46個で、ほとんどのキーにキー1個分の指の移動でアクセス可能。数字をキーを見ずにタイピングするのが苦手だったので、数字キーはごっそり無くしました。TabやCtrl、Shift、Enter、Backspaceなどは従来と同じ左右端に設けています。

キーマップ

数字キーやカーソルキーがないこと以外は普通のキーボードと変わらないので、慣れるコストは低いキーボードだと思います。

上からレイヤー1〜3

右手親指に「-(ハイフン)」と「=(イコール)」を配置。この2つも普通のキーボードで手元を見ずに打つのが苦手でしたが、今では絶対に逃しません。

Raiseキーは押している間レイヤー1に切り替わります。レイヤー1では最上段が数字になるほか、カッコなどよく使う記号や、マクロを配置しています。

  • マクロ1:()を入力してカッコの間にカーソルを移動させる
  • マクロ2:「」を入力したカッコの間にカーソルを移動させる

これ、編集の仕事でよく使うので超便利。

ロータリーエンコーダ左横にはEscキーを配置。よく、「Escそこなの!?」と驚かれるんですけど、Escってめっちゃ使うのに遠くないですか?みんな使わないのか?

その下にはレイヤー2に切り替わるDropキーを配置。レイヤー2にはスクショやウィンドウ配置などのOSのマクロを割り当てています。

ぶっちゃけ、自分で作ったキーボードがどうこうよりも、先人たちが作ったファームウェア環境(QMKfirmware、REMAP、VIAなど)が便利すぎると思います。ここまで簡単にキーマップやマクロを使えて、しかもそれがブラウザで設定できる環境は異常に恵まれています。これのあとにLogi Option+とか触ってもワクワクしないぞ。

ロータリーエンコーダ

左右のキーの間に2つツマミ(ロータリーエンコーダ)をつけました。

音量調整(下)のほかに、拡大・縮小(上)を割り当てています。Mac miniで使用しているキーボードなので、トラックパッドがないと拡大・縮小がめんどくさかったため。Adobeアプリやブラウザで活躍しています。

拡大・縮小はトラックパッドのピンチインピンチアウトよりも楽かもです。

次のバージョンではこの辺りにトラックボールをつける予定。

アクリル積層ケース

半透明のアクリル板を5枚重ねたケース。いちばん設計が大変で、できた時もいちばんうれしかったやつ。

僕は手が大きいので分厚くて背が高いキーボードが好み。だいぶ肉厚に仕上げました。Razer Blackwidow V3 miniと同じくらいの高さ。普通の人はパームレストがないと疲れるかもしれません。

このケースができるまでは基板を重ね合わせただけの裸状態で使っていました。

裸でも充分使えるのですが、プレートとプレートの隙間からキースイッチの音が漏れたり反響するため、打鍵音が安っぽくなります。ケースで本体の側面や上下を塞ぐことで、コトコトした落ち着いた音にできました。気持ちいい。

基板にプリントしたロゴ(AIでつくった)も半透明アクリルでいい感じに和らぎましたね。

キースイッチ

アマゾンセールで1,000円(激安)で買ったEPOMAKER AJAZZのキウイ軸を使っています。緑でかわいい。

タクタイルなのでやや打鍵音大きめ。スプリングの金属音が目立っていたので少しだけルブ(潤滑剤を塗る作業)しました。低音よりだけどコトコトした中にクリスピーさがある気持ちいい音になりました。

キーキャップ

すべて1Uサイズのキーを採用したため、キーマップと刻印を合わせられるキーキャップがとても少ないのが欠点。今はTALPKEYBOADさんのこれを使っています。

XDA DyeSub PBT 93 Orthlinear キーキャップセット(ホワイト)

¥5,000 税込(執筆時)

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すべての行で同じ高さのXDAプロファイルと呼ばれる形状。レトロすぎずスッキリしていて好きです。キーキャップ沼はお金がかかるので、しばらくこれでいいかな。

USBケーブル

Amazonで売ってるコイル巻きケーブル。安いのに質感が良くて好きです。あと2色くらい買っておこう。

GunMjo Pro カスタムコイル状USB Cケーブル

¥2,290 税込(執筆時)#PR

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