Logicool MX MASTER 2SはMac用最強マウスとなり得るか?G300sやM337と比較する

アイキャッチMX MASTER 2S

僕が長年愛用してきたG300s。これまで4つ購入して、ついには奧さんも愛用するほど満足度の高いマウス。過去に何度かレビューしているので、値段が手頃な高機能マウスを探している人は関連記事をご覧ください。

Macに最適なゲーミングマウスG300sが神すぎるので嫁にもあげた

G300sは最高のマウスなのですが、有線マウスだという点が唯一の悩み。流石にもう2018年です、デスクの上のケーブルは少なくしたいもの。ブログを始めて気づいたのですが、机の上で写真を取っているとマウスのケーブルが写り込んでしまうんですよね。非常に散らかって見えます。

Logicoolのハイエンドマウス MX MASTER 2S を購入した狙い

上から見たMX MASTER 2S

そこで今回購入して試したのがこのマウス、「MX MASTER 2S」です。一万円を超える高級機で、Logicoolの中でもゲーミング用のシリーズを除けば一番高いクラスですね。さすがに質感が高く、しっくり手に馴染むデザインが開封して握った瞬間に、とても心地いい。

MX MASTER 2Sを握った様子

なぜ、MX MASTER 2Sを選んだのか。以下の3つが理由です。

  • 横スクロールホイールが欲しい
  • フリースピンとSmartShift
  • M337で知っていたジェスチャ機能の使いやすさ

一つずつ見ていきましょう。

サムホイールでタイムライン編集が快適になった

僕はPodcast編集を週3回やっています。AdobeのAuditionというアプリで編集するのですが、動画編集ソフトなどと同じように横にスクロールできるタイムライン上で作業するのが一般的。

Auditionの編集の様子

これまで、この横のスクロールは「Shift + スクロールホイール」でやっていました。これはMacの標準的なキーバインドで、Excelなどの他のアプリケーションでも使うことができます。これでも支障なく作業できるのですが、あまりにもShiftキーを押す頻度が多いので少しストレスでした。

MX MASTER 2Sではサムホイールと呼ばれる親指で回すホイールが搭載されています。横スクロール専用のホイールです。これがあれば、右手だけでタイムラインを移動することができます。

サムホイールの写真

Logicool Optionという専用アプリをインストールすれば、スクロール速度も調整可能。Logicool Optionはアプリケーションごとにボタンをカスタマイズすることもできます。戻る・進むボタンを、削除・リップル削除ボタンにすることで片手でPodcast編集ができるようになりました。

LogicoolOptionのホイール設定画面

少し残念だったのが、サムホイールのスクロール速度を最大にしても、Shift+縦スクロール で操作した時の方が速いということ。微妙な移動であればサムホイールが活躍しますが、大幅にタイムラインをスクロールしたい場合はShift+縦スクロールも併用したほうが良さそうです。

後ろから見たMX MASTER 2S

フリースピンとSmartShiftは感動モノ!最適な設定を探そう。

MX MASTER 2Sの縦ホイールには「フリースピン」と「SmartShift」という機能がついています。フリースピンとは、ハンドスピナーのようにホイールが回り続ける機構のこと。通常のホイールはカリカリとしたクリック感がありますよね(ラチェットと言います)。フリースピンにより、長いWebページなどをスイスイスクロールすることができるんです。慣れてくると本当に快適で、Macのトラックパッドのような自由なスクロール感が得られます。

ホイールのアップ

SmartShiftはフリースピン/ラチェットの2つのモードを自動で切り替える機能。ホイールをゆっくり回すとラチェット、強く弾くとフリースピンに自動で切り替わります。はっきり言ってこれは最高です。Logicool Optionで設定を調整しないとホイールが暴れ回ってしまいますが、一度設定がキマればかなり使いやすい。こればかりは体感してもらわないと伝わらないので、みなさん今すぐヨドバシカメラへ行きましょう。

一つ難点を言えば、SmartShiftの音がうるさいこと。フリースピンを指で止めた時などはカチャンカチャンと賑やかです。

ジェスチャーは正直、使いにくい

以前紹介したM337で、ジェスチャーボタンを使った機能について書きました。ボタンを押しながらマウスを上下左右に動かすことで、それぞれの方向に割り当てた機能が発動するというもの。MX MASTER 2Sにもジェスチャー機能があるので、Logicool Optionで機能を割り当てました。M337と同じ機能を設定しています。

ジェスチャ設定画面

MX MASTER 2Sのジェスチャーボタンはここ。ボタンに見えないですが、押せます。しかしこれが本当に押しづらい。押せる範囲の境界が曖昧だからか、指で探るにもよくわかりません。慣れればいいのですが、慣れるまで時間がかかります。これから購入される方、特にジェスチャ機能に期待されている方は良く検討したほうがいいです。

ジェスチャーボタンの位置

もう一つの難点が、そもそも本体が重くてジェスチャが辛いこと。今まで使ってきたG300sやM337は非常に軽量だったのですが、MX MASTER 2Sは体感で1.8倍くらいの重さを感じます。机に接する面積も広いので、摩擦も重く感じる原因かもしれません。

きわめつけは、ジェスチャ判定が鈍いこと。ジェスチャと判定される移動距離がM337より長く感じます。 これは本体が重いことによる錯覚かもしれません。しかもジェスチャから次のジェスチャを検知するまでの感覚も鈍い気がします。M337より、確実に操作が遅くなります。

僕はMission Controlやウィンドウ操作を駆使して、ファイルをドラッグで掴んだまま仮想デスクトップやアプリ、ウィンドウを自由自在に移動する使い方が染み付いてしまっているので、この操作が遅くなるのはちょっと辛い。それでもサムホイールやフリースピンの恩恵が大きいので、慣れるまで使ってみたいと思っています。

Macの機能とマウスでウィンドウ操作

マルチペアリングは助かる

MX MASTER 2Sの大きな特徴として、マルチペアリングFLOWがあります。最大3台のMac・PCとペアリングすることができ、底部のボタンを押すことで切り替えが可能。G300sの時は職場と家用にそれぞれ購入していましたが、MX MASTER 2Sは高いので何個も買えません。マルチペアリングは非常に助かります。

デバイス切り替えボタン

FLOWは複数のPC・Macでマウスカーソルを共有する機能。本機の最大の売りですね。僕はまだパソコンを2台同時に使うほど仕事ができないので、しばらく使うことはなさそうです…

人を選ぶが、優秀なのは間違いないマウス

動画/音声編集をする人、巨大なExcelファイルを扱う人などにはサムホイール付きの本機をお勧めできます。一般的なマウスのスクロールが遅いと感じていたり、Macのトラックパッド並みのスイスイ感が欲しい人にはフリースピン+SmartShiftなMX MASTER 2Sはやはりオススメ。

逆に、ジェスチャにたくさん機能を割り当てて効率をあげようとしている人には、強くオススメできません。あくまで慣れかもしれませんが、スピード感でいうとG300sのような多ボタン式を選ぶか、M337のような軽いマウスのほうが良さそうです。

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前から見たMX MASTER 2S

入力デバイスは日々使うものですから、今回の買い物もそこまで高くは感じませんでした。そして高ければいいというもんじゃないということもよくわかりました。これから買う方は必ず触ってから検討することをオススメします。長期間使ってからまたレビューしますね。