iPad Proで使えるマークダウンエディタを求めて。MWeb, Type, 1Writerを使ってみた。
Markdown (マークダウン) 記法をご存知でしょうか。簡単な記号の組み合わせで、見出しや太字、アウトライン、表など様々な文書表現ができる非常に便利なマークアップ言語です。WordPressなどのブログシステムでもプラグインで対応させることができ、覚えるのが非常に楽なので徐々に普及してきています。もちろんiPad Proで記事を書く際にもMarkdownを使いたいところ。Storeで見つけることができた3種類のアプリを使ってみました。
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Ulyssesは純粋なMarkdownではない?
今までは記事を書くのにUlyssesを使っていました。理由はMediumとWordPressに直接投稿する機能があるのと、Markdownに対応していること。Ulyssesは文章を書くことに特化した機能が豊富なエディタで、多くのブロガーから支持されています。
ただ、Ulyssesでサポートされている記法は純粋なMarkdownとは違う挙動をする方言のようなものがあり、純粋なMarkdownエディタを求めるユーザにとってはかえって使いにくいシーンがあります。
例えば僕のブログは、画像をWordPressとは別のサーバに保存して記事にはリンクを貼る形を取っています。そこでUlyssesでMarkdownの画像の記法を使って画像リンクを挿入するのですが、Ulysses上では画像コンテンツとして認識してくれないのです。これでは記事の出来上がりのプレビューが見れず、相当不便です。
似たようなエディタでBearというアプリがありますが、こちらも同じでした。Macと同期できて、デザインもオシャレで使いたかったのですが、僕の用途だとうまくいきませんでした。
Markdownアプリを選ぶ基準
人によって必要な機能が違うと思いますが、僕にとって重要なことをリストアップしました。
- 画像リンクの挿入をMarkdown記法で書きたい。
- 画像も含めて記事のプレビューを快適にしたい。
- 表もMarkdownで書きたい。
- キーボードショートカットが豊富だと嬉しい。
- 僕の場合、書いたMarkdownのソースをWordPressの投稿画面にコピペしてしまえば事足りるので、他デバイスとの同期は優先度が低い。
- 同じ理由でブログサービスとの連携も優先度が低い。
今回紹介する3つのアプリはこの条件をほぼ満たしています。
唯一の左右プレビューサポートが嬉しい「Type」
Typeというすごくシンプルなアプリを見つけました。無料のMarkdownエディタです。最大の強みはプレビューを見ながら編集できること。左にMarkdown、右にプレビューを表示しながら記事が書けます。Mac・PCのMarkdownエディタでは結構当たり前の機能なのですが、iOSアプリでこれができるエディタは少ないです。僕はこのTypeしか見つけられませんでした。
他デバイスとの同期は月額¥150のアプリ内課金でできます。ただ、共有メニューからiCloud Driveにファイルとして保存できるので、150円払い続けてまで必要な機能ではないと思います。
Markdownでよく使われる記号のショートカットが用意されていて、ソフトキーボードを使う場合は便利です。
画像の挿入はショートカットボタンからだとカメラロールからの挿入になります。画像リンクを使う場合は自分でタグを書かないといけません。
表のサポートもOK。ただ、ショートカットボタンには表の挿入がありません。
キーボードショートカットに対応していないのが残念です。
拡張性が高い「1Writer」
編集機能としては標準的で目立ったところはないのですが、記号ショートカットやキーボードショートカットは充実していて安定感のあるMarkdownエディタです。
DropboxやEvernoteなどのクラウドサービスに対応しているので、ユーザによっては便利に使える反面、iCloud DriveへMarkdownのままで保存することはできないようなので僕にとっては惜しい結果となりました。
URLアクション、Javascriptアクションを追加してカスタマイズできるようなので、拡張性は高そうです。僕は試していませんが、ググってみるといろんなことができるようです。
画像の挿入は、ショートカットボタンを押すとカメラロールから挿入するか、空のMarkdownタグを挿入するかが選択できます。
表を挿入するショートカットボタンはありませんでしたが、自分でタグを入力すれば表示できます。
プレビューは右上のボタンから素早く行えます。
必要になりそうなキーボードショートカットは網羅されています。
ぬかりない「MWeb」
今回紹介する3つの中で最も機能が充実していると言える「MWeb」はmacOS版も定評があるMarkdownエディタ。使い勝手はUlyssesに近いものがあり、左にファイルリスト、右に編集画面、下部のボタンを押してプレビューを確認といった操作感になります。
Markdownの表はもちろん、LaTeXという記法を用いた数式の表示も可能で、論文執筆にも使えそう。
画像の挿入はカメラロールから挿入する場合と、画像タグだけ挿入する場合でショートカットボタンが分かれていて、画像をURLで挿入する場合には1タップで済むので一番手数が少ないです。
表の挿入はショートカットから簡単にできます。行数列数を入力するとテンプレートが挿入されるので、それを編集するだけです。
プレビューは少し面倒。ショートカットボタンの並びのキーボードをしまうボタンをタップしないと表示されません。
キーボードショートカットはかなり豊富です。Ctrl + Shift + I
で画像タグを挿入できるのがかなり便利。
まとめ。僕はMWebを使ってみます
機能で比較してみました。
画像タグの挿入 | 表の挿入 | プレビュー | デバイス間同期 | キーボードショートカット | |
---|---|---|---|---|---|
Type | ◯ | ◯ | ◎ | △ | × |
1Writer | ◎ | ◯ | ◯ | △ | ◯ |
MWeb | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ |
プレビューの快適さで言えば左右プレビューができるTypeが最高。
バランスがいい1Writer、でも目立った特徴がなく決め手がない。
豊富な機能のMWeb。安心して愛用できそう。
プレビューの手間が一番少ないTypeと迷いましたが、最終的にMWebを使っていくことにしました。Markdownはもともとプレビューをしなくても可読性が高いので、頻繁に編集結果を見る必要はない気がしたからです。
MWebは無料版と有料版がありますが、今のところオープンベータのような扱いで特に機能差は無いようです。ぜひお試しください。
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