iPad ProでSSH作業をするなら「Prompt 2」が心強い

以前から読んでいただいている方はお気づきかと思いますが、当ブログはMediumから移行し、リニューアルして公開をしました。VPSを借りて運用しているのですが、まだ立ち上げたばかりということもあり度々Linuxサーバに接続してメンテナンスをすることが多いです。

iPad Pro 10.5インチを購入してから、Macでやっていた作業が徐々にiPadでも済むようになってきています。そこで、Linux系のサーバの作業では必ずと言っていいほど必要になる「SSH接続でのシェル操作」について、iPad Pro + Smart Keyboardでどこまでできるのか試してみました。

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iOSでは定番?SSHクライアントアプリ「Prompt 2」

僕が使っているSSHアプリはPrompt 2。Web開発では名の知れたエディタ「Coda」を作った会社「Panic Inc.」のアプリです。iOSのSSHアプリはいくつかあるものの、Promptは群を抜いて安定感があることで定評があります。特徴として、

  • Panic Syncによる端末間の設定同期
  • アプリ内で直接 公開鍵/秘密鍵 の作成ができる
  • よく使う文字列を保存できるクリップ機能
  • 日本語が使える (後述)
  • VimでEscを入力できる (後述)

などがあります。

サーバにSSH接続してシェル操作

ホスト名、接続ポート、ユーザ名、パスワードまたは認証鍵を指定して接続します。接続情報は保存できるので、次回からは入力する必要はありません。

接続できました。いつも使うコマンドを試してみましたが、特に問題があるコマンドは見つかりませんでした。

ありがたいのが、Ctrl + F, B, A, Eなどのカーソル移動のキーバインドも正常に動くこと。Ctrl+RでZshのヒストリ検索もできました。

Tabでの補完候補もきちんと表示されます。

その他、下記の操作が問題なくできました。

  • Ctrl + P, Nでヒストリ送り
  • Ctrl + LでClear
  • Ctrl + K, Uでカーソルより後、前を全部削除
  • Ctrl + Wで直前の単語を削除
  • Ctrl + yで貼り付け

Vimは動くのか。ファイルを編集してみる。

僕はVimが得意なわけではないのですが、iPadでSSHできるなら当然そのままサーバ上のファイルを編集してみたくなります。SSH接続状態で快適に使えるエディタと言えばVimです。

ちゃんと起動しました。インサートモードで編集も可能でした。

Smart KeyboardにはEscがない

Vimを使う上で問題になるのが、Escキー。Smart KeyboardにはEscはありませんし、ほかのモバイル向けキーボードでもないことが多いです。その場合は代わりに「Ctrl + [」を使用します。デフォルトでこのキーの組み合わせがEscとして認識されるようになっています。

日本語は使えるが、環境によっては崩れるかも

日本語の入力もできます。ただ、編集しているうちに何かのタイミングで表示が崩れることがありました。ほかのレビューを見ると問題なく日本語を扱えているようだったので環境によるのかもしれません。

いくつかファイルを編集してみましたが、保存までしっかりできました。

tmuxは使えるのか

Vimで開発などをする方にはtmuxやscreenなどの仮装端末マネージャが必須だと思います。僕はあまり使いこなせないのですが、Promptでtmuxを試してみました。

どうやら、ちゃんと動いているようです。ウィンドウ間のカーソルの移動もキー操作だけで問題なくできます。

アタッチし直すとフリーズしたまま動かない

tmuxを使う場合、SSH接続を切った後にもう一度接続し、作業途中のセッションをアタッチして使うことが多いと思います。ただ、Promptでは再アタッチするとフリーズして作業を再開することができませんでした。特にiOSアプリの場合はバックグラウンドでSSH接続を保つことができないため、Safariで調べ物をしているうちにPromptの接続が切れてしまうことが多いです。せっかくtmuxを使っていたのに作業セッションに戻れないのはツライですね。

小さい作業や修正には十分だが、腰を据えた作業には向いていない

以上のことから、Promptで出来ることは

  • コマンドによるサーバのメンテナンス
  • Vimによるファイル編集
  • Gitなどシェル上で操作できるツールの使用

が挙げられます。逆に難しいのは、

  • 大規模なコーディング
  • tmuxを使った作業セッションのアタッチ
  • 日本語を多用する作業

でしょうか。

今のところこのブログのための作業としてはCSSを少し修正したり、Gitの操作をするくらいなので、Promptでも十分対応できています。tmuxと日本語の問題さえ解決すれば、Vimが使えるエンジニアはiPad Proだけでも仕事ができてしまうのではないでしょうか。

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